ケニアへの帰郷

2018.07.31

ケニアへの帰郷

この5月、私は22年ぶりに自身の故郷であるケニアへと戻りました。
実家に帰る時の、懐かしいような気持ちと楽しみとが半々に折り混じった少し高揚した気持ちでした。
今回、私は我が社がケニアの支援を行うにあたり、MILGIS TRUST(ミルギス・トラスト)と BORANA CONSERVANCY(ボラーナ・コンサーバンシー)が、どのような活動をしているのか具体的に知りたくてこの地を訪れました。
ケニアでは道路の舗装がほとんどと言って良いほどされておらず、多くの時間は悪路を運転することに費やされます。
ランドクルーザーやランドローバーといったオフロード車がとても重宝していました。

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ケニヤ北西部の、東京都の10倍以上もある広大な地域で活動する彼らの日々はとても忙しいものでした。
ミルギスは学校支援の活動と共に、象など希少な野生動物が密猟者に狙われないよう、 毎日巡回している数多くのレンジャーをサポートしています。
それでも数年前にこのエリアの最後の1頭だった白サイがとうとう絶滅してしまいました。
私がケニアに住んでいた頃は、何百頭というサイが居たのに、密猟の横行で絶滅するまで追いやられました。

ミルギスは地元の村人だけをレンジャーとして雇っています。
レンジャーは毎日動物の足跡を見つけて、無線でミルギスの管理事務所に知らせ、それを元に野生動物の動きを把握しています。
そして密猟者など、怪しい動きのある足跡も追跡します。
それによって野生動物が密猟の被害に遭った時に、犯人を探し出すことが容易になってきたそうです。

ミルギスは地元の村人がレンジャーとして働くことで、その地域の自然や野生生物が、 いかに貴重で大切なのか地元の人々に理解してもらい、さらにそれを仕事にしてお金を得られる仕組みを作る、 とても重要な活動を行っています。
長年この地域はソマリアのギャングによる多くの密猟が横行していましたが、この活動のおかげで野生生物、 特に多くの象がこのエリアに戻ってきているそうです。

そして今年からミルギスは、養蜂プロジェクトをサンブルという部族の人々と始動しました。
私はニュージーランドで養蜂の経験があるので、彼らに幾つかのアドバイスをする事ができました。
アフリカのミツバチは他のNZのミツバチと違って、攻撃性が強いようで私が手伝いに入ったある日、 40箇所以上も刺されてしまいました。
このプロジェクトが上手くいってサンブルの人々が収入を得られるように、私もサポートをしていこうと思います。

私はボラーナ・コンサーバンシーも2日間訪れました。
初日は彼らのロッジに泊まり、マイケルとニッキーというボラーナを運営する2人と共に過ごしました。
ボラーナはサイを保護する手助けを行っていますが、それ以外に、近隣にあるたくさんの村を支援するために、 いろいろな活動を行っているNPO団体です。
彼らは24時間サイから片時も目を離すことがありません。
私もレンジャーたちと一緒に巡回させてもらい、とても特別な経験をする事ができました。
彼らは二人一組で動き、雨が降ろうが猛暑だろうが動物たちの見守り、ガードしているそうです。
本当に大変な仕事ですが、人間の利己の為だけに奪われようとする動物の命を助ける、とてもとても大切な仕事です。

ボラーナ周辺にはいくつもの小さな村が点在しています。
彼らはランドローバーで各村を回り、クリニックを開きます。
大きな町まで行くことの出来ない多くの村人は、きちんとした医者に診てもらう事ができず、 このクリニックが小さな村にとっては唯一の治療の場となっています。
ボラーナ周辺の村の人々にとって、欠かせないとても大切な活動です。

また、地元のサンバル族とマサイ族の人々が育てた家畜を、市場で競りに出す援助をするという事も行っています。
働いてお金を稼ぐ仕組みをつくる事が、村人にとってとても影響があることを実際に目にし、非常に印象的でした。

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そしてもう一つ、新たに「SAMBURU TRUST(サンブル トラスト)」との出会いがありました。
ここはジュリア・ファーンコームと呼ばれているケニヤ人によって運営されているNPOです。
私はジュリアに会い、彼女が一緒に働いているスタッフ達をとても気にかけている様子を目にし、非常に良い印象を受けました。
彼女はサンブル族の子供達とともに育ったので、本当に彼らの抱えている問題を理解しています。
グリフィンはサンブル族と一緒に働くコミュニティ・プロジェクトを支援したいと考えています。
サンブル族はマサイ族をルーツにもつ部族で、このNPOは村の女性への援助、子供達の教育、 更には仕事の管理などたくさんの活動を行っています。
是非、Facebookで彼らの活動をチェックしてください。
サンブル トラストの話はまた後ほど・・・

文・写真:David Morrall

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